トラストバンク 川村憲一社長(4)社長就任後、売り上げは150%アップ
ふるさと納税のポータルサイト「ふるさとチョイス」を運営するトラストバンクの事業拡大に手腕を発揮してきた川村憲一。
2020年1月1日、創業社長の須永珠代から後継社長に指名されている。47歳のときだ。
創業者の須永は「ウーマン・オブ・ザ・イヤー」にも選ばれた立志伝中の人物である。創業経営者らしく、強力なリーダーシップで会社を牽引してきた。
「社長を打診されたとき、須永の先見性や指導力と自分の能力を比べ、即答できませんでした。ただ、須永から『比較すると川村さんの良さが死んじゃうよ』と言われた。そのとき『自分の良さとは何だろうか』と考え、『周囲を巻き込む力なんじゃないか』と思い、社長を引き受けることにしました」
新社長に就任した川村の課題は、トップダウンの組織からボトムアップの組織へ変えていくことだった。
「私がこの会社と関わるようになった頃は、社員数は40人程度でした。それが、私が社長になった頃には業務委託を含めて190人規模になっていた。自分は創業者のようなカリスマ経営者ではありませんし、これまでのようなトップダウンのやり方では組織をまとめきれない。社員一人一人が、自ら考え、行動していかないと、将来の成長はないと思いました」