大阪・関西万博は総事業費「1兆円突破」確実! 予算大膨張は会場建設費だけじゃない
国費投じるインフラも青天井
増額の背景に資材・人件費の高騰があるとはいえ、ズサンな計画も目立つ。代表例が阪神高速「淀川左岸線」の2期工事(区間4.4キロ)だ。19年に当時の松井市長が大阪中心部と万博会場のアクセス改善を期待し先行開通を表明。夢洲の整備と別の予算で進めているが、事業費は当初の1162億円から2.5倍の2957億円とウナギ上りだ。
「淀川左岸の土手の内部にトンネルを通す前代未聞の計画で、調査の甘さから付近住宅のひび割れ被害が続出。工法変更を迫られ、事業費を上積みしたのです。開通も延期となり、万博期間中は一部区間でトンネルの天井が完成していない状態で、シャトルバスを運行することになります」(大阪市政関係者)
このむちゃな道路整備費も、国が55%を負担。当初の250億円から地中のメタンガス対策などで、346億円に上振れした夢洲への地下鉄延伸工事も、うち88億円が国の負担であることを思えば、大阪以外の国民も無関心ではいられないはずだ。
「そもそも夢洲には電気や上下水道も通っておらず、整備はこれから。今は建設業者が仮設トイレや発電機で対応するありさまで、総額1554億円の土壌汚染・液状化対策も、さらなる増額が確実視されています」(建設業界関係者)
これらのインフラ費用を含めると、万博の総費用は軽く1兆円突破は確実。
東京五輪の二の舞いを避けたければ、中止以外の選択はない。