著者のコラム一覧
有森隆経済ジャーナリスト

早稲田大学文学部卒。30年間全国紙で経済記者を務めた。経済・産業界での豊富な人脈を生かし、経済事件などをテーマに精力的な取材・執筆活動を続けている。著書は「企業舎弟闇の抗争」(講談社+α文庫)、「ネットバブル」「日本企業モラルハザード史」(以上、文春新書)、「住友銀行暗黒史」「日産独裁経営と権力抗争の末路」(以上、さくら舎)、「プロ経営者の時代」(千倉書房)など多数。

大正製薬HD(上)過去最大のMBOは祖父・父から子への相続が狙いか

公開日: 更新日:

 24年3月期の連結決算の売上高は前期比5.8%増の3190億円、営業利益は10.9%減の205億円、純利益は44.7%減の105億円の見通し。

 医家向け医薬品事業の縮小が減益の主な要因だ。

「東証のPBR改善策計画がMBOの背中を押した」と創業家の関係者は語る。確かに12月1日時点のPBRは0.8%台と東証が求める1倍を下回る。このまま上場を続ければ物言う株主の餌食になるかもしれない。

■上原茂副社長が社長に昇格

 MBOの公表後に、上原茂副社長が、父親である明社長の後任として持ち株会社の社長に昇格することが明らかになった。茂副社長の会社が父親が理事長の財団や、祖父の昭二名誉会長の持ち株を買い取り、茂氏が名実ともに大正製薬グループのオーナーになる。祖父と父親から、持ち株を相続することがMBOの最大の狙いなのか。

 MBOの価格に関して、一部から「少数株主を軽視している(安すぎないか)」との声が出ている。現在は上場企業である以上、少数株主への目配りが肝要なことは、オーナー家も十分に承知しているはずだ。 =つづく

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    相撲協会の逆鱗に触れた白鵬のメディア工作…イジメ黙認と隠蔽、変わらぬ傲慢ぶりの波紋と今後

  2. 2

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  3. 3

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 4

    《2025年に日本を出ます》…團十郎&占い師「突然ですが占ってもいいですか?」で"意味深トーク"の後味の悪さ

  5. 5

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  1. 6

    中居正広の女性トラブルで元女優・若林志穂さん怒り再燃!大物ミュージシャン「N」に向けられる《私は一歩も引きません》宣言

  2. 7

    結局《何をやってもキムタク》が功を奏した? 中居正広の騒動で最後に笑いそうな木村拓哉と工藤静香

  3. 8

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  4. 9

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  5. 10

    高校サッカーV前橋育英からJ入りゼロのなぜ? 英プレミアの三笘薫が優良モデルケース