マイナス金利解除「4月」は困難か…自民裏金疑惑で補選ラッシュなら投票日直前に日銀会合
■夏まで続く円安・株高
しかし、ここへきて、4月の解除も政治的に難しいとの見方が急浮上している。4月会合の直後の28日に衆院島根1区の補欠選挙の投開票が予定されているからだ。この先、3月15日までに国会議員の辞職が相次げば、4月の補選は、大型選挙となる可能性もある。
「近く、裏金疑惑で複数の自民党議員の立件が見込まれ、公民権停止期間を短縮するため潔く議員辞職する“薗浦方式”を採る議員も出てくると考えられます。買収容疑で逮捕された衆院議員の柿沢未途容疑者も容疑を認めており、議員辞職も取りざたされている。補選の数が膨れ上がれば、植田総裁は投開票日直前の利上げは見送らざるを得ないのではないか。利上げすれば株価が下がり、岸田政権にダメージを与えかねませんからね」(金融関係者)
4月を見送れば、6月か、展望リポート公表の7月の解除ということになる。
「夏まで金融緩和が続き、円安・株高が続くとみる投資家が安心して株を買っているのでしょう。投資家はウハウハでも、円安が進行すれば、輸入物価高が再燃し、消費者はキツい。中小企業のコスト圧迫も懸念されます」(金融ジャーナリスト・森岡英樹氏)
東京商工リサーチによると、2023年の「円安関連倒産」は52件(前年24件)で、前年比2.1倍に達した。
植田総裁は裏金疑惑を注視しているに違いない。