エネオスHD新社長はナルシスト?初の東燃ゼネラル出身“下剋上”トップ人事に日石組からは不満が
4月1日にENEOSホールディングス(エネオスHD)社長に就任した宮田知秀氏のインタビュー(日本経済新聞、5月31日朝刊)が話題を集めている。宮田氏は相次いだ経営幹部によるセクハラ事件を受けた再発防止策として、部下によるフィードバックを人事考課に含める評価制度を導入し、部長や役員ら個人の裁量を縮小することを明らかにしたのだ。この改革に、「宮田氏による管理職への締め付けが本格的に動き出した」(関係者)と、戦々恐々となっている。
エネオスHDでは、2022年8月に当時の杉森務会長が沖縄の飲食店で女性従業員に性加害を加える事件を受けて辞任。その激震が冷めやらぬ23年12月に、やはり懇親の場で同席していた女性に抱きつくセクハラ行為で前社長の斉藤猛氏が解任された。2年連続の不祥事に「エネオスはどうなっているんだ」(財界関係者)と、驚きの声があがった。その立て直しを期待されて社長に抜擢されたのが宮田氏だ。また従来はHD社長が兼務していた事業会社のエネオス社長に、山口敦治執行役員が昇格した。
エネオスは17年にJXホールディングスと東燃ゼネラル石油が統合して発足し、旧日本石油系のJX出身者がトップを占めてきた。「売上高2兆円規模の東燃ゼネラルが8兆円近くのJXホールディングスに吸収統合されたのが実態だった」(金融筋)とされる。そのエネオスHD社長に初めて東燃ゼネラル出身の宮田氏が就いたことで、傷ついた企業イメージの刷新を目指すのだが……。