著者のコラム一覧
小林佳樹金融ジャーナリスト

銀行・証券・保険業界などの金融界を40年近く取材するベテラン記者。政界・官界・民間企業のトライアングルを取材の基盤にしている。神出鬼没が身上で、親密な政治家からは「服部半蔵」と呼ばれている。本人はアカデミックな「マクロ経済」を論じたいのだが、周囲から期待されているのはディープな「裏話」であることに悩んで40年が経過してしまった。アナリスト崩れである。

エネオスHD新社長はナルシスト?初の東燃ゼネラル出身“下剋上”トップ人事に日石組からは不満が

公開日: 更新日:

 4月1日にENEOSホールディングス(エネオスHD)社長に就任した宮田知秀氏のインタビュー(日本経済新聞、5月31日朝刊)が話題を集めている。宮田氏は相次いだ経営幹部によるセクハラ事件を受けた再発防止策として、部下によるフィードバックを人事考課に含める評価制度を導入し、部長や役員ら個人の裁量を縮小することを明らかにしたのだ。この改革に、「宮田氏による管理職への締め付けが本格的に動き出した」(関係者)と、戦々恐々となっている。

 エネオスHDでは、2022年8月に当時の杉森務会長が沖縄の飲食店で女性従業員に性加害を加える事件を受けて辞任。その激震が冷めやらぬ23年12月に、やはり懇親の場で同席していた女性に抱きつくセクハラ行為で前社長の斉藤猛氏が解任された。2年連続の不祥事に「エネオスはどうなっているんだ」(財界関係者)と、驚きの声があがった。その立て直しを期待されて社長に抜擢されたのが宮田氏だ。また従来はHD社長が兼務していた事業会社のエネオス社長に、山口敦治執行役員が昇格した。

 エネオスは17年にJXホールディングスと東燃ゼネラル石油が統合して発足し、旧日本石油系のJX出身者がトップを占めてきた。「売上高2兆円規模の東燃ゼネラルが8兆円近くのJXホールディングスに吸収統合されたのが実態だった」(金融筋)とされる。そのエネオスHD社長に初めて東燃ゼネラル出身の宮田氏が就いたことで、傷ついた企業イメージの刷新を目指すのだが……。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    広末涼子が危険運転や看護師暴行に及んだ背景か…交通費5万円ケチった経済状況、鳥羽周作氏と破局説も

  2. 2

    広末涼子容疑者「きもちくしてくれて」不倫騒動から2年弱の逮捕劇…前夫が懸念していた“心が壊れるとき”

  3. 3

    佐藤健は9年越しの“不倫示談”バラされトバッチリ…広末涼子所属事務所の完全否定から一転

  4. 4

    今思えばゾッとする。僕は下調べせずPL学園に入学し、激しく後悔…寮生活は想像を絶した

  5. 5

    露呈された韓国芸能界の闇…“兵糧攻め”にあうNewJeansはアカウントを「mhdhh」に変更して徹底抗戦

  1. 6

    大阪万博ハプニング相次ぎ波乱の幕開け…帰宅困難者14万人の阿鼻叫喚、「並ばない」は看板倒れに

  2. 7

    大阪・関西万博“裏の見どころ”を公開!要注意の「激ヤバスポット」5選

  3. 8

    フジテレビ問題「有力な番組出演者」の石橋貴明が実名報道されて「U氏」は伏せたままの不条理

  4. 9

    広末涼子が逮捕以前に映画主演オファーを断っていたワケ

  5. 10

    中居正広氏は元フジテレビ女性アナへの“性暴力”で引退…元TOKIO山口達也氏「何もしないなら帰れ」との違い