著者のコラム一覧
有森隆経済ジャーナリスト

早稲田大学文学部卒。30年間全国紙で経済記者を務めた。経済・産業界での豊富な人脈を生かし、経済事件などをテーマに精力的な取材・執筆活動を続けている。著書は「企業舎弟闇の抗争」(講談社+α文庫)、「ネットバブル」「日本企業モラルハザード史」(以上、文春新書)、「住友銀行暗黒史」「日産独裁経営と権力抗争の末路」(以上、さくら舎)、「プロ経営者の時代」(千倉書房)など多数。

コスモス薬品(上)M&Aなしの“単独路線”を貫き、売上高1兆円達成へ

公開日: 更新日:

 ドラッグストアへの参入は93年と大手では遅いが、後発だからこその勝算があった。大型店を出店規制する大規模小売店舗法(大店法)の撤廃だ。

 ドラッグストアの多くは小さな薬店から発展し、売り場面積が100~500平方メートルの小さな店舗だった。宇野氏は競合店の良しあしを研究し、小商圏の大型店が秘める可能性を確信していた。大店法の廃止を待って大型店を一気に広げた。

 大店法の撤廃を機に、大型店の展開で業界上位に駆け上がったことでは、家電量販店のヤマダ電機(現ヤマダホールディングス)と共通する。

 我流の出店戦略である。食品スーパーが進出していない人口1万人の商圏に1000~2000平方メートルの売り場面積をもつ大型店を郊外に建てる小商圏型メガドラッグストアが基本戦略だ。

 一般のドラッグストアは店舗面積200~1000平方メートルが多い。コスモスは当初から食品に力を入れており、大きな店は品ぞろえで有利だからだ。ドラッグストアの定番である医薬品や化粧品では、いつも客が来ることはないが、食品は日常的に顧客を誘致できるところが強みだ。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  2. 2

    悠仁さまは学習院ではなぜダメだった?大学進学で疲弊する宮内庁職員「もうやめたい」と悲鳴

  3. 3

    大阪府の8割の小売店でコメ品切れ発生だが…吉村知事「備蓄米放出しろ」が腑に落ちないワケ

  4. 4

    巨人「助っ人野手の獲得下手」汚名返上できた納得の理由…今年はなぜ2人とも“当たり”?

  5. 5

    そんなに女性天皇がいやなのか…最近の雅子皇后いじめの裏にあるもの

  1. 6

    佐々木朗希にメジャースカウト「合格点」も…“投げては休む”は米国で受け入れられるのか

  2. 7

    巨人・坂本勇人は《潔くユニホーム脱ぐべき》低迷でも“1年延命”で現役続行か

  3. 8

    故・川田亜子さんトラブル判明した「謎の最期」から16年…TBS安住紳一郎アナが“あの曲”を再び

  4. 9

    “異例の成績”報道の悠仁さまに東大の「共通テスト重視」が与える影響は?

  5. 10

    やす子に始まり、やす子に終わった…一体、誰のための「24時間テレビ」なのか