著者のコラム一覧
重道武司経済ジャーナリスト

1957年鳥取県倉吉市生まれ。84年フジサンケイグループ傘下の経済紙「日本工業新聞」(現フジサンケイビジネスアイ)の記者となり、千葉支局を振出しに鉄鋼、自動車、総合電機、財界、金融、エネルギー(電力・石油・ガス)などの業界を担当。2000年外資系通信社に転じた後、02年からフリーに。得意分野は通信社時代を含めて在籍足掛け7年にも及んだ日銀記者クラブ時代に人脈を培った金融。自動車業界にも強い。

製薬企業リストラ相次ぎ、次の焦点に…小野薬品「オプジーボ」特許切れで生じる衝撃波

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 背景にあるのは、いずれも主力薬の特許切れに伴う収益悪化や新薬開発の頓挫だ。武田は柱のひとつの注意欠陥多動性障害(ADHD)治療薬「ビバンセ」の米国での特許が昨年8月に失効。田辺三菱は今年6月、パーキンソン病治療薬の同国での承認申請に対し、米食品医薬品局(FDA)が「見送り」の判定を下した。

 そんななか「製薬リストラの今後の最大の焦点になる」(市場関係者)と取り沙汰されているのが小野薬品工業だ。屋台骨であるがん免疫治療薬「オプジーボ」が2028年以降、順次、特許切れを迎えるためだ。31年までには日米欧の全てで独占販売権が消滅する。

 オプジーボが小野薬品の売上高(24年3月期で5026億円)に占める比率は約6割。これがはがれ落ちることで生じる衝撃波はそれこそ「甚大なものになる」(同)に違いない。

 無論、手は打ちつつある。6月には抗がん剤に強みを持つナスダック上場の米バイオ企業を24億ドルで買収。オプジーボの投与対象がん種の適応拡大などの開発も進める。刻々と切迫する時間との闘いでもある。

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