日立が家庭用エアコン「白くまくん」切り捨て…業務用とで雇用にも明暗
地球温暖化で北極海の氷が解け出すことで絶滅の危機に瀕(ひん)しているとされるホッキョクグマ。餌となるアザラシを思うように捕獲できず、衰弱死してしまうためだ。現在の生息数は約2.6万頭。2100年までにはこれがゼロになるとも言われているが、“もう一つのクマ”はそれよりはるかに早く消滅してしまいそうな情勢だ。日立製作所の家庭用エアコン「白くまくん」--である。
日立が空調事業の再編を決めた。米ジョンソン・コントロールズ・インターナショナル(JCI)との空調合弁会社株(持ち分4割)すべてをJCIとともに自動車部品世界大手の独ボッシュに売却する。成長性の高いIT・エネルギー・社会インフラ分野に重点投資を絞り込む「選択と集中」の一環だ。
同合弁「ジョンソンコントロールズ日立空調」は国内で家庭用と業務用の2つの空調事業を展開している。売却に当たってはまず、このうち業務用の生産拠点である清水事業所(静岡市)を切り離して日立の白物家電子会社、日立グローバルライフソリューション(GLS)に移管。そのうえで保有株を譲渡し、家庭用の生産拠点の栃木事業所はそのままボッシュの傘下に入る。25年4~6月までに一連のディールを完了させたい考えだ。