著者のコラム一覧
重道武司経済ジャーナリスト

1957年鳥取県倉吉市生まれ。84年フジサンケイグループ傘下の経済紙「日本工業新聞」(現フジサンケイビジネスアイ)の記者となり、千葉支局を振出しに鉄鋼、自動車、総合電機、財界、金融、エネルギー(電力・石油・ガス)などの業界を担当。2000年外資系通信社に転じた後、02年からフリーに。得意分野は通信社時代を含めて在籍足掛け7年にも及んだ日銀記者クラブ時代に人脈を培った金融。自動車業界にも強い。

日立が家庭用エアコン「白くまくん」切り捨て…業務用とで雇用にも明暗

公開日: 更新日:

 地球温暖化で北極海の氷が解け出すことで絶滅の危機に瀕(ひん)しているとされるホッキョクグマ。餌となるアザラシを思うように捕獲できず、衰弱死してしまうためだ。現在の生息数は約2.6万頭。2100年までにはこれがゼロになるとも言われているが、“もう一つのクマ”はそれよりはるかに早く消滅してしまいそうな情勢だ。日立製作所の家庭用エアコン「白くまくん」--である。

 日立が空調事業の再編を決めた。米ジョンソン・コントロールズ・インターナショナル(JCI)との空調合弁会社株(持ち分4割)すべてをJCIとともに自動車部品世界大手の独ボッシュに売却する。成長性の高いIT・エネルギー・社会インフラ分野に重点投資を絞り込む「選択と集中」の一環だ。

 同合弁「ジョンソンコントロールズ日立空調」は国内で家庭用と業務用の2つの空調事業を展開している。売却に当たってはまず、このうち業務用の生産拠点である清水事業所(静岡市)を切り離して日立の白物家電子会社、日立グローバルライフソリューション(GLS)に移管。そのうえで保有株を譲渡し、家庭用の生産拠点の栃木事業所はそのままボッシュの傘下に入る。25年4~6月までに一連のディールを完了させたい考えだ。

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