著者のコラム一覧
重道武司経済ジャーナリスト

1957年鳥取県倉吉市生まれ。84年フジサンケイグループ傘下の経済紙「日本工業新聞」(現フジサンケイビジネスアイ)の記者となり、千葉支局を振出しに鉄鋼、自動車、総合電機、財界、金融、エネルギー(電力・石油・ガス)などの業界を担当。2000年外資系通信社に転じた後、02年からフリーに。得意分野は通信社時代を含めて在籍足掛け7年にも及んだ日銀記者クラブ時代に人脈を培った金融。自動車業界にも強い。

高速船2社どうなる? JR九州高速船は不祥事隠蔽、4期連続赤字の瀬戸内汽船は“逆張り”投資で大博打

公開日: 更新日:

 一方、瀬戸内海汽船は広島・呉両港と愛媛県の松山港を結ぶ「スーパージェット」を運航。フェリーも併営する。しかし19年から20年にかけて2隻の大型船を導入して償却負担が膨らんでいたところに新型コロナ禍が直撃。利用客が激減して業績が急降下した。

 コロナ禍明け後も客足の戻りは鈍く、19年に約60万人だった利用者数は23年で46万人と2割以上落ち込んだまま。23年12月期は1.64億円の最終赤字に沈み、期末時点の債務超過額は7.56億円にまで増大した。今12月期も最終赤字の見通しで、4期連続赤字となる。

■広島銀行が救済へ

 そんななか救済に乗り出したのが広島銀行だ。7月末に債権放棄や債務の株式化(DES)、さらには傘下のファンドを通じた出資といった支援パッケージを決定。再建に着手したが、業界筋を驚かせたのは瀬戸内海汽船の“逆張り”投資だ。26年4月就航を目指し、8月、新たな高速船の建造を決断したのである。

 果たして吉凶いずれの目が出るのか、地元では「大博打」との懸念も漏れる。

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