誰トク?広がる地方私大の公立化…見送られた千葉科学大は「加計学園」が運営撤退も大学存続
安倍元首相の「腹心の友」が経営する学校法人加計学園(岡山県岡山市)は運営する千葉科学大学(千葉県銚子市)について、学校法人大城学園(沖縄県名護市)への事業譲渡で合意したと発表した。千葉科学大は銚子市がおよそ90億円かけて誘致し、2004年に開学。だが、近年は定員割れが続いていたことから、加計学園は23年秋に公立化の要望書を市に提出していた。市は公立化にあたり規模縮小などを求めていたが、新たな法人のもと大学は存続する。
09年以降、顕著なのが経営が苦しい地方私大の公立化だ。高知工科大を皮切りに現在まで12校の公立化が実現。定員割れしていた私大の看板が公立に変わることで受験生が集まり、偏差値、入学定員充足率が大幅にアップしているという。
「不人気私大の公立化は打ち出の小づち、一種の救済策です。公設民営といって地元の活性化のため、自治体が土地や資金などを提供して開学した私大の場合、誘致した自治体や当時の首長の責任が問われることになります。廃校になるより引き受けるほうが、さまざまな点で自治体にとってメリットが大きいのです」(大学ジャーナリスト・石渡嶺司氏)