著者のコラム一覧
保阪正康作家

1939年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇」など著書多数。2004年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。本連載「日本史 縦横無尽」が『「裏切りの近現代史」で読み解く 歴史が暗転するとき』(講談社)として好評発売中。

「運命の5分間」で日本の空母4隻は燃えさかる地獄となった

公開日: 更新日:
ミッドウェー海戦で米艦隊は日本艦隊を追撃。急降下爆撃隊は避退する重巡最上と三隅に攻撃をかけた。写真はクレオ・J・ドブソン中尉の撮影した沈没直前の「三隅」/(C)共同通信社

 淵田美津雄が「運命の5分間」という表現を使ったのには意味がある。南雲艦隊の空母4隻がアメリカ軍の艦隊への攻撃からミッドウェー基地攻撃へ、そして再び艦隊攻撃へと兵装を戻す作業が「赤城」の場合はあと5分もすれば終わるはずだった。

 だが、その間にアメリカ軍の急降下爆撃を受けた…

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