保阪正康
著者のコラム一覧
保阪正康作家

1939年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇」など著書多数。2004年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。本連載「日本史 縦横無尽」が『「裏切りの近現代史」で読み解く 歴史が暗転するとき』(講談社)として好評発売中。

橘孝三郎と武者小路実篤、農本主義と知識人の付き合いはどのような形で始まったか

公開日: 更新日:
柳宗悦(やなぎ・むねよし)宗教哲学者、民芸運動の提唱者、日本民芸館(東京・駒場)館長(1958=昭和33=年12月23日撮影)/(C)共同通信社

 大正末期、農本主義者の橘孝三郎と武者小路実篤の間には、実は交流も続いていた。武者小路は白樺派同人の中では指導的な役割を果たしていたわけだが、白樺派には作家、評論家、彫刻家、詩人だけではなく、民芸家の柳宗悦などもいた。周辺には近衞文麿などもいて、白樺派はいわば華族の子弟なども同人…

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