岸田首相“深謀遠慮”人事は裏目必至 派閥No.2林芳正氏「官房長官」起用で内閣“乗っ取り”も

公開日: 更新日:

派閥を牛耳られる不安から閣内取り込み…

 とはいえ、別の思惑もあるようだ。

「総理はパー券裏金疑惑で派閥政治に批判が集中するや、7日に宏池会を離脱。派閥は会長不在になりましたから、ナンバー2の林さんに派内を牛耳られる恐れがあった。それを防ぐために林さんを閣内に取り込んだのでしょう」(別の永田町関係者)

 岸田氏が保身のため、深謀遠慮を巡らした末の人事だが、裏目に出かねない。

「この未曽有の危機に、林さんが官房長官の職務をそつなくこなせば、党内評価はウナギ上り。1日2回の会見を行う内閣のスポークスマンとして露出も増え、総理の思惑とは裏腹に林さんの存在感が増す可能性は高い」(官邸事情通)

 永田町での林氏の評判は「手堅い」「安定感がある」といった具合。その手腕を買われ、内閣の“トラブルシューター”としての起用が多かった。2015年には「政治とカネ」で辞任した西川公也農相の後を継ぎ、17年には加計学園問題で文科省のガバナンスが揺らぐ中で文科相に就任。誕生日が1月19日であることから、緊急通報の「119番」になぞらえ“レスキュー林”と呼ばれているほどだ。

「このまま裏金疑惑の泥沼にはまれば、岸田政権は早期退陣、『次の総理はワンポイント』の展開もあり得る。その場合、総理に緊急登板するのは官房長官の林さんと今から囁かれている。今度はボロボロの岸田政権を“レスキュー”することになるかもしれません」(前出の官邸事情通)

 派閥を牛耳られるのを防ぐはずが、図らずもキャリアアップを手助け。内閣を乗っ取られる事態もあり得るとは、あまりに皮肉な話だ。

■関連キーワード

最新の政治・社会記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 政治のアクセスランキング

  1. 1

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  2. 2

    国民民主党・玉木雄一郎代表「外国人は数万円で1.6億円の治療」は“排外主義”煽るミスリード

  3. 3

    【独自】自民・甘利明氏の後継候補は「34歳の元維新女性」か? “色ボケ説”尻目に擁立模索し地元行脚

  4. 4

    【独自】自民裏金のキーマンは参考人聴取で“暴露”の可能性…戦々恐々の旧安倍派幹部が本紙に重大証言

  5. 5

    “生みの親”橋下徹氏も《解散やろ》と三行半…偽情報・怪文書が飛び交った兵庫県知事選で維新議員の関与相次ぐ

  1. 6

    ウヤムヤな兵庫県知事が抱える闇…熊谷俊人・千葉県知事は対照的に、立花孝志氏の2馬力選挙を「迷惑」と断じる

  2. 7

    歪んだ「NHK愛」を育んだ生い立ち…天下のNHKに就職→自慢のキャリア強制終了で逆恨み

  3. 8

    「虚像の天才・立花孝志」の創造主 ホリエモンとの“本当の関係”

  4. 9

    裏金のキーマンに「出てくるな」と旧安倍派幹部が“脅し鬼電”…参考人招致ドタキャンに自民内部からも異論噴出

  5. 10

    スキャンダラスな下半身ネタに味を占め、選挙ではSNSで「下の層」を取り込む

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…