藤井聡(京大大学院教授)「幼児のような日本を大人の国に!」「後進の育成も」

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ヒット曲を作って紅白に出たい

 夢や目標のために僕は大学で研究し、本を著し、雑誌「表現者クライテリオン」を編集し、テレビやラジオ、SNSで発信しています。テレビでは「東京ホンマもん教室」(TOKYO MX)、ラジオでは「週刊クライテリオン 藤井聡あるがままラジオ」(KBS京都ラジオ)を出演・企画・プロデュースしています。言論の力というのは圧倒的に強い。こうした活動を続けることで日本を変えていけると信じています。だから、死ぬまで発信していきたいですね。

 政治家になる? それは考えていません。お声はかけていただきますが、僕が政治家になったら、「藤井聡」というプレーヤーがいなくなりますし、国のパフォーマンスが上がるとは思わないからです。「藤井聡」というプレーヤーはサッカーでいえば攻撃的ミッドフィルダー。それに対して政治家はフォワード。違う役割なんです。

「藤井聡」というプレーヤーは今、この国に必要だと自負していますが、代わりがいない。僕が死んだ後も世界は続くわけですから、教授として志をもった人間を一人でも二人でも育てて、僕が死んだ後も世の中のいろんなところで活躍してもらいたい。死ぬまでにやりたいことをもう一つ付け加えるなら、この後進の育成ですね。

 以上のことを全部しっかりやろうと日々努めているわけですが、そのためには僕の魂が望むことを自由にさせてあげて、元気にさせてあげなければいけません。やはり仕事ばかりしていたら、アウトプットばかりだから枯れていくし、疲れてきます。だから、魂を磨いて活力をあげることも必要。それは家族や友人と時間を過ごすことです。僕の拠点は京都ですが、京都には妻と3人の子、孫もいます。子供らはみな独立していますが、近くに住んでいますし、僕もできるだけ家で食事を取るなど家族との時間も大事にしています。

 友だちもたくさんいます。幼稚園から小中高、大学の同級生ら古い友人や若い頃の研究者仲間、そして新しい友人とも食事をしたりお酒を飲んだりして、社交の時間も大事にしています。彼らとの愛情や信頼関係の中で僕の魂は涵養され、人の心の動きを知り、情報を得る。これがないと、言論なんてできないんですよ。

 魂の涵養には一人の時間も大事。一人の時間を何に使うかというと、一つが音楽。僕の実家ではいつも音楽が流れていました。だから、子供の頃からクラシックも歌謡曲もハードロックも聴いてきました。なかでも反骨精神が根底にあるロックに惹かれ、中学になると横浜銀蝿のコピーバンドを始め……いってみれば、僕は「この世の中は腐りきっている!」と憤った反抗期と今も同じなんですよ(笑)。

 30歳前後の時、あまりに忙しくて中断しましたけど、研究や言論と並行してロックもずっと続けてきました。今はソロや「三沢カヅチカ with Friends」という4人組バンドで1、2カ月に1回ほどライブをしています。以前、CDをリリースしたことがあり、また今度、僕が作詞作曲してミニアルバムを作る計画です。

 せっかくなので、インボイスを批判する曲とか、僕の言論活動で訴えていることをラップの歌詞にのせて歌っています。テレビやラジオに加え、もっと幅広い層に僕の主張が広がってほしいからです。ヒット曲を作って紅白歌合戦に出場する――これも、死ぬまでにやりたいことですね(笑)。

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