維新が抱える“出直しのジレンマ”…参院選1人区で「予備選」呼びかけも実施メド立たず
来夏の参院選に向け、改選定数1の「1人区」での野党候補一本化について「予備選」の実施を訴えている日本維新の会。吉村洋文代表(大阪府知事)は立憲民主党や国民民主党に協力を呼びかけるが、予備選実施のメドは立っていない。吉村代表のひとり相撲にも映る。
吉村氏の狙いは、衆院に続いて参院でも与党過半数割れに追い込むこと。全国32の1人区で与党vs野党の一騎打ちに持ち込めば、与党が「3勝29敗」の大惨敗を喫するとの試算もある。一本化は待ったなしだが、問題は候補者の選定プロセスだ。
維新は予備選の制度設計の検討を始め、内部では世論調査を比較して一本化する案が浮上しているという。ただ、維新は2023年の大阪市長選の公認候補を選ぶ際、電話による世論調査で予備選を実施する予定だったが、総務省から公職選挙法に抵触する可能性を指摘されて断念した経緯がある。
予備選の可能性が見通せない上、実施できたとしても、維新にメリットがあるのかどうか。14日の日経新聞(電子版)によれば、先の衆院選で各政党が得た比例票を来夏の参院選の各選挙区に当てはめたところ、維新が予備選で勝てる選挙区は滋賀、奈良、和歌山にとどまったという。