君は4人のお父さんなんだから
あたしはそんなこと思っていない。人は誰しも、生きていくのは簡単なことじゃない。けど、自分がシングルマザーであったし、地元のそういう会に顔を出し、そこで悩みや愚痴もちょこちょこ聞いているから、感情移入してしまうのは仕方ない。
シングルマザーの人生の軌道修正は難しい。新しいパートナーは欲しいけど、その人は自分だけじゃなく子どもも愛してくれる人じゃなくてはダメ。そして、たとえ好きな人ができても、子どもに恥をかかせることなんてできない。みっともない恋愛なんてできない。惚れっぽいあたしですら息子が二十歳になるまで、どうすることもできなかった。
それでも君しかいないと断言してくれる人が現れ、一度失敗したことに再びチャレンジするって、すごいことなんだわ。
離党勧告を受けた彼は、確かにやんちゃすぎるきらいはあった。が、あたしにはどうしてもそんなに悪いやつには思えない。
あえて名前は出さなかったが、その彼がこれを読んでくれることを祈って、最後にこう締めくくりたい。
「ぐだぐだいわず、謝り倒せ。だって、君は4人のお父さんなんだから。頑張れ!」