石破首相が“安倍派切り”に打って出るのか…裏金問題は年明け国会も継続、「金庫番」招致で与野党攻防
松本氏にゲロさせれば「みそぎ」になり得る
「松本氏はすでに政治資金規正法違反で有罪が確定。参考人招致が実現した場合、焦点となるのは旧安倍派幹部との証言の食い違いです。ポイントは、パー券収入の還流が一度は中止されたのに、後に継続が決まった経緯。旧安倍派幹部は政治倫理審査会で『知らぬ存ぜぬ』を繰り返しましたが、松本氏は公判で『ある幹部から還流継続を要望された』との趣旨の発言をした。野党議員の追及で、松本氏が継続を望んだ幹部の実名を明かせば一大事ですが、あくまで旧安倍派の問題でしかありません。先の衆院選で大量落選し、還流継続の経緯を証言した現職の元幹部は事務総長経験者の西村康稔、世耕弘成両氏しかいない。彼らが炎上しても石破総理本人は無関係。総理はむしろ、松本氏にゲロさせれば『みそぎ』にすらなり得る、と考えているフシがある」(同前)
石破首相は「安倍派切り」に打って出る可能性があるわけだが、事が簡単に進むかは見通せない。
■森元首相への「飛び火」も
「松本氏は公判で検察側から『(虚偽記入を)派閥幹部にやめようと言ったか』と問われ『今の幹部ではなく、昔の幹部に何度か話したことはある』と証言。参考人招致されれば『昔の幹部とは誰なのか』と問われるに違いない。下手をすれば、派閥会長を務めた森元首相にまで“飛び火”する展開もあり得る。リスクの方が大きいのではないか」(自民党関係者)
もはや、打つ手なしか。新年早々、石破首相は立ち往生必至だ。
◇ ◇ ◇
世界が注目するトランプ米次期大統領の動向。石破首相は結局、就任式の前には会談を行わず、2月以降の訪米で再調整の方向だというが、就任直後のトランプ氏が日本に構っていられるのか。●関連記事『【もっと読む】先が思いやられる石破外交…トランプ大統領就任前には訪米せず、会談先送りの吉凶』で詳報する。