裏金のキーマンが聴取で暴露しジタバタ…旧安倍派4幹部は内ゲバの様相、醜悪すぎる責任なすり合い

公開日: 更新日:

 キーマンの暴露に自民党の裏金集団が大わらわだ。

 裏金事件の実態解明に向け、衆院予算委員会の安住淳委員長と与野党筆頭理事が27日、旧安倍派の会計責任者だった松本淳一郎元事務局長(政治資金規正法違反で有罪確定)を都内のホテルで聴取。約40分間、非公開で行われた。

 注目されたのは、松本氏の公判での証言と旧安倍派幹部の発言の食い違いだ。旧安倍派の政治資金パーティーをめぐる販売ノルマ超過分のキックバックは、安倍元首相が2022年4月に中止を決定。しかし、没後に再開した。松本氏は昨年の公判で「ある幹部が再開を要望してきた」と話し、22年8月の4幹部協議で再開が決まったと証言。一方、協議に出席した塩谷立元文科相、下村博文元文科相、西村康稔元経産相、世耕弘成前参院幹事長の4幹部は口をそろえて否定。塩谷氏を除く3幹部は、協議で再開が決まった事実も認めていない。

 松本氏が言う「ある幹部」とは誰なのか──。松本氏は聴取で名指しこそしなかったが、「現職ではない人」と暴露。22年7月ごろに「ある幹部」から再開要望があったと明言し、改めて8月の幹部協議で再開が決まったと説明した。

 4幹部はすぐさま反応。現職の西村氏と世耕氏はそれぞれ「協議で再開決定はしていない」などとするコメントを発表。政界引退に追い込まれた塩谷氏は「私が説明してきたことと松本氏の発言が一致しており、整合性はとれている」とコメントし、浪人中の下村氏は「(キックバック再開を指示した)事実は一切ありません」とSNSに投稿した。

「松本さんの『現職でない人』という発言は違和感がある。安住委員長の質問に答える形ではあったが、はぐらかすこともできた。バッジをつけていない2人に責任をおっかぶせる意図があったのではないか。特に、狙いは下村さんだろう。検察の取り調べに名前を挙げていた。現職の旧安倍派幹部とすり合わせ、下村さんに引導を渡そうとしたのかもしれない」(官邸事情通)

 そうした空気を感じ取ったのか、下村氏は27日、日刊ゲンダイの取材にこう憤った。

「私が22年7月に松本さんに連絡したのは事実です。ただ〈ある議員が還付を再開してほしいと言っている〉と伝えただけ。再開しろとは一切言っていない。そもそも、当時はまだ派閥会長の安倍元総理が存命でした。安倍さんの頭越しに私が還付再開など指示できるわけがありません」

 まさに責任のなすり合い。内ゲバの様相だ。

最新の政治・社会記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 政治のアクセスランキング

  1. 1

    枝野発言で火がつき一気に現実味…立憲民主党と国民民主党が参院選で共闘か

  2. 2

    だから世耕弘成氏は嫌われる…「裏金」参考人招致でも冗舌、企業・団体献金には“ド正論”連発の厚顔

  3. 3

    石破自民に分断の危機…トランプ関税“交渉カード”に「コメ」浮上で農水族vs商工族のバトル勃発も

  4. 4

    「格下も格下」卑屈発言の赤沢大臣はまるでトランプ信者…“MAGA帽ニッコリ写真”に波紋広がる

  5. 5

    支持率低迷の石破自民が参院選の「争点隠し」…年金底上げ断念で就職氷河期世代を切り捨て

  1. 6

    石破自民の「消費税減税」決断観測にザワつく野党…“客寄せパンダ”小泉進次郎氏が言及し参院選戦略ぐらり

  2. 7

    国民民主党・玉木代表「連立入り」「首相就任」報道に文句連発も…ホンネは自公政権救済へ“色気ありあり”

  3. 8

    立憲・野田代表にとって「消費税減税」はまるで“腫れ物”…完全スルーの街頭演説に聴衆の反応もイマイチ

  4. 9

    参院選で自民が目論む「石原伸晃外し」…東京選挙区の“目玉候補”に菊川怜、NPO女性代表の名前

  5. 10

    参院選に向け永田町で出回る“怪情報”…自民情勢調査で「単独過半数維持」って甘すぎやしないか?

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「ダウンタウンDX」終了で消えゆく松本軍団…FUJIWARA藤本敏史は炎上中で"ガヤ芸人"の今後は

  2. 2

    大阪万博「遠足」堺市の小・中学校8割が辞退の衝撃…無料招待でも安全への懸念広がる

  3. 3

    のんが“改名騒動”以来11年ぶり民放ドラマ出演の背景…因縁の前事務所俳優とは共演NG懸念も

  4. 4

    フジ経営陣から脱落か…“日枝体制の残滓”と名指しされた金光修氏と清水賢治氏に出回る「怪文書」

  5. 5

    【萩原健一】ショーケンが見つめたライバル=沢田研二の「すごみ」

  1. 6

    中居正広氏の「性暴力」背景に旧ジャニーズとフジのズブズブ関係…“中絶スキャンダル封殺”で生まれた大いなる傲慢心

  2. 7

    木村拓哉の"身長サバ読み疑惑"が今春再燃した背景 すべての発端は故・メリー喜多川副社長の思いつき

  3. 8

    大物の“後ろ盾”を失った指原莉乃がYouTubeで語った「芸能界辞めたい」「サシハラ後悔」の波紋

  4. 9

    【独自】「もし断っていなければ献上されていた」発言で注目のアイドリング!!!元メンバーが語る 被害後すぐ警察に行ける人は少数である理由

  5. 10

    上沼恵美子&和田アキ子ら「芸能界のご意見番」不要論…フジテレビ問題で“昭和の悪しき伝統”一掃ムード