“空き家”本人確認の脆弱さを利用し犯行繰り返す…「トクリュウ」クレカ詐欺の巧妙手口
「押収した空き家のリストは約600件。犯行に利用する空き家を選ぶ際には実際に内覧し、“オートロックではない”“管理人がいない”“ドアを開けて中の様子が見えない”などの条件下の物件を吟味していました」(同前)
犯行に利用する空き家を事前に内覧するといった用意周到な犯行──。
■犯行に利用された“空き家”は2府7県にまたがる
さらに、グループが目をつけたのがネット銀行などの本人確認の“脆弱性”だったという。
「一般の銀行と違い、写真やデータのスキャンのみで本人確認が行えるネット銀行の簡素化された手続きにグループは付けこみ、口座を開設。口座に紐づけ不正に取得したクレジットカードは500枚以上に上ります」(同前)
犯行に利用された“空き家”は2府7県にまたがり、福岡、大阪などを拠点に近県での犯行を繰り返していた「トクリュウ」。カードで得た転売益は少なくとも9500万円以上にのぼるとみられており、警察は上位被疑者の存在も視野に入れ慎重に捜査を続けている。