上原、田沢に立ちはだかるカージナルスのえげつない“スパイ野球”
「大事な試合があのプレーによって終わるのはつらい。すぐに飲み込んでしまうには苦過ぎるクスリみたいだ」
レッドソックスのファレル監督が、こうボヤいた。「あのプレー」とは、26日(日本時間27日)のワールドシリーズ第3戦の勝敗を分けた「走塁妨害」、三塁手が走者と交錯したプレーが走塁妨害と判定され、レッドソックスはサヨナラ負けを喫した。
レ軍はこれで対カージナルス戦を1勝2敗。27日(日本時間28日)に迎えた第4戦は田沢と上原の好投もありレ軍が勝利し2勝2敗のタイに戻したが、カ軍のキメ細かな野球に苦戦を強いられている印象は拭えない。
実はレッドソックスの年俸総額は、約150億円で30球団中4位。投打に高給取りをそろえたスター軍団だ。一方のカージナルスは約115億円で同10位、レ軍の3分の2程度に過ぎない。派手さはなくても、緻密な守備や走塁でここまで勝ち進んできた大きな要因は「ラルーサ遺産」らしい。
カージナルスは一昨年までの16年間、トニー・ラルーサ(69)が指揮を執り、ワールドシリーズを2度制覇。その細かい野球はマセニー現監督(43)にも脈々と受け継がれているそうだ。駐米特派員のひとりがこう言う。