上原、田沢に立ちはだかるカージナルスのえげつない“スパイ野球”
「ラルーサは3連戦の初戦前に、主だったコーチ連中や捕手を集めて徹底したミーティングをやった。初戦の一回から3戦目の最終回まで、延々とシミュレーション。さまざまな状況を想定して、戦略を練った。当時の主力捕手がマセニーで、サインの伝達役だったオケンド三塁ベースコーチはいまも健在です」
勝つためには、かなりえげつないこともやっていたらしい。
「専門のスタッフが、相手投手のクセを分析していただけじゃない。バッテリーやベースコーチのサインまで盗み、解読していた。サインを盗まれることに異常なほどナーバスになっていたのも、自分のチームがやっていたから。敵を欺くためにわざわざニセのサインを出して、相手ベンチをかく乱したこともある。そんなラルーサにみっちりスパイ野球を仕込まれたのがいまの首脳陣です」(前出の特派員)
上原や田沢たちは第5戦以降も、「苦いクスリ」どころか「煮え湯」を飲まされなければよいのだが……。