セ・パの実力差も? “超強力”巨人打線が楽天投手に手も足も出ないワケ
とは、好投した美馬の中大時代の恩師でもある評論家の高橋善正氏。さらに続ける。
「秘密裏に飛ぶボールが導入された今季は特に、セの投手は必要以上に巨人打線を警戒していた。巨人強力打線の怖さも破壊力も知っているから、どうしても<かわそう、かわそう>という意識が先に立つ。慎重になるあまり、四球で走者をためたり、ボールが先行してカウントを悪くしたりで、結果、巨人打線の餌食になるわけです。攻める、というのは何も真っすぐで押すことではなく、怖がらずにストライクを先行させること。田中はもちろんですが、初戦の則本、この日の美馬もそれができていた。常に投手有利のカウントでピッチングを組み立てられれば、巨人打線といえどもそうそう点は取れません」
井の中の蛙とは言わないが、巨人は普段、戦力的にも精神的にも優位に立った状態で常に試合をしている。それが、リーグ1位のチーム打率・262、チーム本塁打145本の一因でもある。今季の交流戦で巨人は3位に入ったものの、その巨人を除けば6位まではパが独占した。11年に巨人で開幕投手を務め、今季からオリックスに移籍した東野峻は、こう言って目を丸くしていた。