セ・パの実力差も? “超強力”巨人打線が楽天投手に手も足も出ないワケ
「例えば、西武はスタメン9人のうち7人が走れる。ほかのチームもそうです。打つだけでなく、どこも機動力がある。豪快でありながら走れる。みんなレベルが高い」
過去9年間の交流戦でセの球団が優勝したのは12年の巨人だけ。通算成績でもセの660勝に対し、パが733勝と圧勝している。「仮に、セでは敵なしの巨人がパに入ったら、Aクラスに入るのも苦労する。それくらい、セとパのレベルは差が開いている」とは、球界OBの多くの言葉である。
「この日の試合でいえば、少なくとも巨人の攻撃陣からは、打線全体で美馬を攻略しようという意識は見られなかった。カーブ、シュート、スライダー、フォーク、カットボールと球種が豊富な美馬に対し、各打者がそれぞれにいろいろなボールに手を出していた印象。個々の能力が高い巨人は良くも悪くも、選手の力量に頼った野球をする。原監督の選手起用や采配が評価されるが、それも選手が実力を発揮することが前提。塁に出なければ、采配の振りようがない。好投する投手からいかに点を奪うかが、打線の真価であり、コーチ陣の手腕のはずです」
と言う前出の高橋氏は「正直、私も4勝1敗で巨人が勝つんじゃないかと思っていた。この日の楽天の勝利で少なくとも日本シリーズは面白くなってきた」と苦笑いを浮かべたが、原監督に笑える余裕はないだろう。