現地リポート「ベルギーは本気で日本を叩きつぶしにくる」
かつて日本代表FW鈴木隆行の所属したゲンクは田舎町のためにホテルが少なく、オランダ戦の前日は特急列車で15分ほどブリュッセル寄りのハッセルトという街に泊まった。試合当日、ブリュッセルから来た列車に乗り込むと車両は日本人サポーターと取材陣でほぼ満席。ケルン(ドイツ)駐在1年目で初めて日本代表戦を観戦する若夫婦は「これだけ日本語が飛び交っている光景は初めて」と驚いていた。
オランダ戦の1失点目がDF内田の判断ミス。2失点目は相手FWロッベンの防ぎようのない鮮やかなゴール。強豪国と対戦したら日本は「高さ」「フィジカルの強さ」「カウンターのうまさ」で劣るだけに無失点で切り抜けるのは至難の業。日本には、守りを固めて1―0で逃げ切る“サッカー文化”がないことをザッケローニ監督は就任3年目にして痛感している。そこで「攻守のバランスを保つ」「コンパクトな陣形からアグレッシブに攻める」「球際の強さ」を要求するようになった。
その上で、3―4と善戦したコンフェデ杯・イタリア戦のように「攻め合いの中に活路を見いだす」しか日本には選択肢がない、と思っているに違いない。