中日ドラ3桂依央利を支えた“女手ひとつ”母の愛情弁当
「これで息子も奨学金を返せるなと思って、ホッとしましたね(笑い)。何十年もかかって返していかないといけなかったわけですからね。それが一番、心配でしたから」
桂はドラフト当日、母に電話で指名を報告した。「母は『良かったね』と言ってました。喜んでくれたと思います。ここまで育ててもらって、これからプロで活躍をして恩返しがしたい」と、桂は言う。
「依央利」という名前には「何事に対しても、立ち向かっていけるように」という意味が込められているそうだ。生き馬の目を抜くプロ野球の世界、桂はどんな困難に直面しても、倒れるわけにはいかない。
▽かつら・いおり 1991年7月9日、大阪市生まれ。小学2年でソフトボールを始め、5年から捕手に。中学で「東住吉ボーイズ」に入団、本格的に野球に取り組むようになった。太成学院大高から大商大に進学し、1年秋からベンチ入り。関西六大学リーグで4年春に首位打者、4年秋にベストナインを受賞。遠投115メートルの強肩が武器。185センチ、83キロ。右投げ右打ち。家族は母、妹2人。契約金、年俸は未定。