文科省が「暴力指導」処分を基準化 どうなる高校野球?
「暴力の総本山」こそ、メスを入れるべきだ。
2日、文科省が有識者会議を開き、暴力指導などを行ったスポーツ指導者への処分基準を定めた。
これまで競技団体ごとにバラバラだった処分基準と内容を統一。資格剥奪、資格停止などを設け、今後は各競技団体に指針として提示するという。
柔道のパワハラ・暴力指導をきっかけに、スポーツ界は暴力根絶に血眼になっている。お上があえて共通の基準を設けたのも、処罰が不公平であってはならないからだ。20年東京五輪が決まった今、新たな暴力が発覚すれば赤っ恥どころか、世界各国から「そんな国でオリンピックができるのか」という声も上がりかねない。
しかし、問題は五輪競技だけではない。日本のスポーツで最も暴力がはびこっているのが高校野球だ。監督やコーチが部員をポカリとやるなんて日常茶飯事。鼻血が出るほど顔面を殴る、バットで頭を叩く、なんて事件も後を絶たない。
しかも、高校野球を統括する高野連は高校体育連盟に所属していない独立組織。これまでも常軌を逸した指導が行われながらも、高野連は大甘処分を続けてきた。高校野球には指導者資格もない。部長になれるのは教職員だけだが、監督やコーチはなろうと思えば誰だってなれる。
文科省が定めた基準に強制力はないものの、有識者会議座長の友添早大教授は「拒絶は社会的な支持を得られない」と断言。「五輪に関係ないから」と、どこ吹く風の高野連こそ、取り締まるべきだ。