今度は井川…補強失敗の阪神「困ったらオリックス」の理由
「またオリックスかいな……」
阪神の周辺で、こんな苦笑い交じりの声が聞こえてくる。15日、オリックスの井川慶(34)について、「阪神が獲得交渉中」とスポーツ紙が報じた一件のことだ。
成立すれば、06年以来8年ぶりの古巣復帰となる。井川は阪神時代の03年に20勝をマークするなど、通算86勝を挙げ、06年オフに入札制度でヤンキースに移籍した。メジャーでは2勝にとどまり、昨季オリックスで日本球界復帰。しかし、2年間でたったの5勝しかできず、阪神時代にエースとして活躍した頃の面影はない。
阪神が落ち目のこのロートル投手獲得に動くのは、今オフの補強戦略の失敗が影響している。久保がDeNAにFA移籍し、スタンリッジは退団。2人の先発投手が流出し、中日をFA宣言した中田賢はソフトバンクに奪われた。中村GMとしては何としても先発投手の穴埋めがしたいのだ。
「中村GMは昨年の就任以来、自身が監督、GM等を歴任したオリックスの人間ばかり取る傾向がある。選手は捕手の日高、投手の高宮、コーチも山田と高代……。そして今回の井川です。井川は阪神の功労者であり、中村GMとしてもオリックスならパイプもある、ということなんでしょうが、ちょっと『元オリックス』が目立ち過ぎです」(球団関係者)
別の関係者は「中村GMは『困った時のオリ頼み』。今の阪神は『オリックス・タイガース』や」と言う。中村GMのかじ取りがうまくいきさえすれば、そんなヤジも飛ばなくなるはずだけど……。