北の湖理事長再選 横暴許す相撲協会と監督官庁の体たらく
文科省競技スポーツ課に問い合わせると、こんな答えが返ってきた。
「(新公益法人制度に移行した)1月末からは指導監督権限が内閣府に移ったので何とも…。今の段階では法人内の揉め事という認識。(裏金授受疑惑は)協会内で話し合ってから危機管理委員会が調査するということです。ただ、我々も(相撲協会とは)これまでの付き合いもあるので、どうなっているのかは聞いています。(危機管理委の)宗像委員長には、法令にのっとって調査をするようには言っています」
そこで内閣府の公益認定等委員会事務局に聞くと、「相撲協会については担当がいますが、現在外出中。明日以降、また連絡していただければ…」ということだった。
もっとも、内閣府もどこまで真剣に取り組んでいるのやら。何しろ裏金授受疑惑の渦中だった時期に相撲協会を「公益法人として適任」と判断した行政機関だ。
■結果を垂れ流すだけ
吉川潮氏(作家)は「なぜか相撲協会にだけは甘いんですよ」とこう言う。
「普通、政治家とか官僚というものは現場に口出ししたがるもの。でも、相撲はそれがない。これまでも八百長などさまざまな事件があって、相撲協会は自分たちだけで収拾がつけられなかった。それでも文科省などは介入しようとしない。これは以前から不思議に思っていました。一体なぜでしょうか? 相撲取りを特別な存在だと思っているからなのか? 下手なことを言ったら何かされるのではと怖がっているのか? 相撲記者も、その<なぜ?>を追及しないでしょう。取組結果とインタビューを垂れ流すのだけが仕事じゃないはずですよ。となると、例えば親方と仲の良い政治家がいて、<相撲は国技だから手心を加えてやれ>と指示を出しているのではないか。これはゲスの勘繰りでも何でもない。そう思われても仕方がないのが現状なんですよ」