早大が新プロジェクト導入 球界から“野球バカ”が消える日
「勉強ばっかりできるのを大学に入学させたらダメだ。俺みたいな野球しかできないバカを入れないと(東京六大学で)優勝できない」
2009年に膵臓がんのため亡くなった立大OBの土井正三さん(兵庫の育英から立大、巨人)がかつて母校に講演に呼ばれたとき、こんな話をしたという。もちろん謙遜もあったのだろうが、当時、母校が長く優勝から遠ざかり、ついそうした発言になったのだろう。
講演を終えて降壇した土井さんは大学のエラい人に「余計なことは言わないように」とお叱りを受けたそうだが、土井発言、あながち冗談とばかり聞き流せない。名門といわれるような大学野球部のほとんどが“野球バカ”に支えられてきたからと言っても過言ではないからだ。
■裏口入学は当たり前
プロ入りしてベストナインに度々選出される活躍をしたAは高校野球で注目され、明大の入学試験前にOBから「野球部の寮にフトンだけ送っておけ」と言われ、野球部寮に入寮。入学試験も寮から受けに行ったそうだ。もちろん合格である。
早大に進んだ高校スラッガーBは「ゲタ履かせて合格させる」と言われて受験したが、ある科目で1問も答えが分からなかった。白紙では出しても出さなくても同じだと、答案用紙をゴミ箱に捨てた。