ケガで打撃を生かせないイチローの「加齢」と「不運」
恩師が復活にお墨付きも
ヤンキース・イチロー(40)が珍しく故障で欠場した。11日のブルワーズ戦の六回の守備で負傷したひざと腰は、13日(日本時間14日)になっても痛みが引かず、試合前の全体練習にも参加しなかった。これまで故障が少なくタフな選手として知られたイチローが、2戦連続の欠場である。
今季のイチローは外野の5番手扱い。ベンチを温める機会が多いものの、ここまで30試合に出場して55打数20安打の打率3割6分4厘。スタメン出場した12試合のうち、7試合でマルチを記録するなど、少ないチャンスを確実に生かしている。
11年に連続200安打が途切れてから、打撃の調子は右肩下がり。昨季は米メディアが年齢的な衰えを指摘したが、限界説を吹き飛ばすような働きぶりである。
「開幕から現時点までの打撃を見る限り、全盛期の状態に戻りました」とオリックス時代の恩師である評論家の河村健一郎氏がこう続ける。
「マリナーズ時代に安打を量産した頃のように、来たボールに逆らわずにバットが出て、確実に捉えています。外角低めの球を左翼方向に運ぶのが目立つのは好調な証しです。コースに逆らわずに打つのは反応が良くなければできない。イチローが持つ独特な打撃の感覚が戻ったのでしょう。昨季までのイチローはタイミングを狂わされることが多く、泳がされるような打撃が少なくなかった。今季はタイミングの取り方も矯正されて本来の打撃に戻ったと思う」
せっかく打撃の調子が戻り、ケガでそれを生かす機会がますます制限されるとしたら運がない。