マー君連勝ストップ 攻略“仕掛人”はカブス日本人スタッフ
ルーキー右腕の連勝を止めた裏に日本人スタッフの眼力があった。ヤンキース・田中将大(25)にメジャー初黒星をつけたカブスのことだ。
4月の対戦では田中のスプリットにねじ伏せられた。レンテリア監督がこの日の試合前に「途中まで速球に見える。高めの球を捉えないと」と話した通り、カブス打線は低めを捨てて高め狙いを徹底。田中から4点を奪ってマウンドから引きずりおろした。
三回に先制打を放ったボニファシオ外野手が「ビデオを見て復習し、お返しができた」と明かしたように、田中攻略には映像が役に立った。
■福留のケガを防いだことも
カブスはメジャー30球団の中でも映像による相手選手の分析に特に力を入れている。その映像編集に携わっているのが正本直人ビデオコーディネーター(35)だ。
05年からカブスのマイナーリーグのトレーニング部門の責任者を務めた経験を生かし、単に選手のプレー映像をまとめるだけでなく、投球や打撃フォームの乱れなどを指摘する動作解析まで行う。福留がカブスでプレーした際には、ベースランニングの映像から走りの乱れを割り出し、故障を未然に防いだという。
カブスは前回の対戦でバント安打2本に抑えられた。正本氏が田中の投球映像を徹底的に分析するのは当然のこと。
試合後の田中は「きょうは悪過ぎた。打者の打ちやすい高いコースに行ってしまった」と振り返ったが、敗因はそれだけではなかった。