スカウトが怒りと不安「済美・安楽はプロ入り前に壊される」
そもそも、上甲監督は昨春の酷使を屁とも思っていない。昨夏の大会で本紙が「連投に反対する声も多かった」と質問した時のことだ。
「前もって(投げられるか)聞いている。高校生が正直に言うか? そら嘘つくよ。でもそこが監督の手腕というか見抜く力ですよ」
と答えながら、一方で「甲子園の決勝で、もし君が肩が痛かったら投げるのをやめるか? ワシだったらやめん。少々隠してでも投げる」と話している。
さらに昨春、浦和学院(埼玉)に敗れた決勝戦前には「安楽には精神力で投げてほしい」とも言っていた。つまりは選手の嘘を見抜いたところで、休ませるという考えはこれっぽっちもないということになる。上甲監督は教員免許のない、いわゆる雇われ監督。選手の体調や将来性よりも、勝利優先と受け取られても仕方がない。
ドラフトだなんだと騒ぐのはプロ側の勝手な都合との声もあるだろうが、ただひとつ確かなことは、上甲監督に任せていたら「金の卵」はプロ入り前に、軒並みぶっ壊されかねないということだ。