ストライクが入らない…楽天・松井裕に深刻な「先発恐怖症」
先発復帰のチャンスを自ら手放した。
フレッシュ球宴で先発した楽天のルーキー、松井裕樹(18)。試合前は「全部直球くらいの気持ちで投げたい。いいカウントになれば三振を取りにいく」と話していたが、しかし、ストライクが入らない。
直球はバラバラで、スライダーも振ってくれずにボールを連発。1イニングを投げ、2安打1四球1失点。三振はひとつも取れず、要した17球中、ストライクゾーンに入ったと言えるのはわずか2球だった。
松井は開幕ローテにこそ入ったものの、先発した5試合で0勝4敗、29四死球。それが中継ぎに回るや、10試合15イニングでわずか4四死球と制球が改善し、初勝利も手にした。
■バランスは改善
この日の試合前は評論家の橋本清氏に、「(以前は)足を上げてから前に突っ込むクセがあったんです。(中継ぎになってからは)しっかり軸足に体重を乗せてから投げるように意識して、バランスがよくなりました」と、手応えを話していた。
それが先発では生かせない。1イニングで降板するのは試合前から分かっていたこと。ほぼ中継ぎと同じ条件ながら、まっさらなマウンドに上がった途端にこの体たらくだ。「後半戦は先発復帰も考えている」と話していた大久保監督代行も、これでは白紙に戻さざるを得ないだろう。
もはや、先発恐怖症と言っても過言ではない深刻な状況。試合後は、「ストライクが入らず、リズムが悪くなった。調子は良くなかったがその中で抑えられないと先発は務まらない」と、肩を落とした松井。当面はリリーフから抜け出せそうもない。