楽天・松井 中継ぎで2回無失点も「先発復帰」遠のく皮肉
楽天のドラフト1位左腕・松井裕樹(18)が1日のオリックス戦で今季2度目の中継ぎ登板。ペーニャ、T-岡田から連続三振を奪うなど、2回を1安打、2奪三振の無失点に抑えた。
先発では5試合に登板して0勝4敗。四球を連発して制球難に苦しんだ黄金新人は、中継ぎに限れば、2回を無失点に抑えた6月7日の中日戦に続き、これで2試合連続での好投。佐藤監督代行は「良くなっている。この試合だけじゃ信用できないが」と言ったが、先日は「今のままでは先発では厳しい」と話している。チーム内には「ペース配分など余計なことを考えずに全力投球ができる、短いイニングのリリーフの方が松井には向いている」との声もあるという。
たしかに、この日の投球を見ても、松井のストレート、スライダーは一軍で十分に通用する。先発の時のように四球で苦しむ様子もない。奪三振率も「10・54」と高く、リリーフとしての適性はあるだけに、ネット裏では、「今後も中継ぎで結果を残せば、いずれはセットアッパー、ストッパーで、という話が出てくるんじゃないか」という声も聞かれた。
松井にしてみれば、今は中継ぎで投げていても、いずれは先発で投げたい。しかし、首脳陣が「リリーフなら戦力になる」と判断すれば、先発復帰は遠のいてしまう。試合後、「調子は良くなかった分、慎重にいけた」と話した松井だったが、心中は複雑かもしれない。