手も足も出ず…巨人はなぜ天敵メッセを打ち崩せないのか
巨人がまた、天敵にやられた。サヨナラ負けを食らった22日の阪神戦で、巨人打線は先発した阪神メッセンジャーに手も足も出ず。7回を亀井のソロ本塁打による1点のみに抑えられた。メッセには今季0勝3敗。九回2死から高橋由の同点弾が飛び出し、4敗目こそ免れたものの、これでメッセの巨人戦の防御率は1・70。「完全に苦手意識を植え付けられましたね」と評論家の山崎裕之氏がこう言う。
「2メートル近い上背(198センチ)から150キロ超の速球がある。制球も悪くない。難攻不落の投手なのだから、チーム単位でなにかを徹底する必要があるにもかかわらず、巨人の各打者は追い込まれては、難しいボールに手を出していた。ストライクゾーンを狭くし、狙い球を絞って早いカウントから好球必打するといった基本的な姿勢も見られなかった」
コーチ陣からは「逆方向への意識を徹底する」とのメッセ攻略法が指示されていたという。左翼ポールに当たった亀井の本塁打は確かにその「逆方向」だったが、強い浜風に流されてのラッキーパンチだった。
「逆方向へ、というのは低めの変化球を見極めろということでもあるのでしょう。しかし、そうすると、どうしても速球に差し込まれる。攻略法としては簡単ではない。外国人投手は足を使われるのを嫌がることが多い。セーフティーバントで揺さぶったりするのも手。三回1死一塁から橋本が一塁側にセーフティー気味にバントをした。狙いはいいものの、ボール気味の球だったし、一塁手に捕らせている。二塁手に捕らせなければ、揺さぶりにはならない。1番の坂本あたりは、内野手が深いと見たらチャレンジしてもいい。エンドランや盗塁など、普段は足を使うチームなのに、全体的に淡泊に映った。こういう時こそ、チーム単位でのしつこさが必要です」(前出の山崎氏)
原監督は試合後、「(メッセンジャー)対策は少しは出たけど、1点ではまだまだ」と話したが、同じ投手に同じようにやられるのはベンチの責任でもある。打順をコロコロ変えるより、コーチを代えた方がいいんじゃないか。