元広島コーチが分析 ヤンキース黒田「衰えない肉体」の秘密
故障者続出のヤンキース先発陣の中でただひとり、ローテーションに残っているのが黒田博樹(39)だ。
ここまで24試合に登板し、7勝8敗と勝ち星に恵まれないものの、クオリティースタート(QS=6回以上を自責点3以内)は14試合。投手の台所事情が苦しい中、孤軍奮闘を続けている。7月25日のブルージェイズ戦でメジャー200試合目の先発登板に到達。日本人投手では野茂英雄に次ぐ記録だ。
そのタフな仕事ぶりは米メディアから「ワークホース(馬車馬のように働く)」とまで持ち上げられている。
ベテラン右腕の強靭な肉体について「若い頃からのトレーニングと研究のたまものでしょう」というのはプロ1年目からの黒田を知る広島の元トレーニングコーチ・石橋秀幸氏だ。
「上背があって手足も長い恵まれた体形ですが、入団時にスクワットでMAX300キロを記録するなど、すでに筋力は抜きんでていた。肘を伸ばす力、引く力はほぼ均等で筋力のバランスも良かった。コンディショニングにもたけており、広島市民球場でのナイターの登板後には照明が半分消えた薄暗い中、クールダウンしたり、登板のない日は地方球場で試合がある場合でも、周辺のジムを探してウエートに励んでいたほどです。いい意味で負けん気も強く、マスコミに『(同期でドラフト1位の)沢崎(俊和=現二軍投手コーチ)だけには絶対に負けません』(黒田はドラフト2位)とライバル意識を口にしていたのを覚えています」