日ハム大谷 「勝負強さ」の源はパワーと頭脳の“シンクロ”
26日に2ケタ勝利に到達した日本ハムの大谷翔平(20)は、暇さえあれば野球のことを考えているという。
相手投手や相手打者の長所短所、自分に対する攻め方の傾向……。特に打つことに関しては、投手コーチが「せめてあのくらい投げることについても考えてくれたら」とボヤくほどとか。そうやって相手を仕留める確率の高い備えをしたうえで打席に入り、マウンドに立つ。
プロ1年目の昨季も同様だったとはいえ、頭の中で考えていることをマウンドや打席で実行するだけの体力、パワーがなかった。パワーが頭脳に追い付いて、結果も伴うようになった。
投手で10勝3敗。ボールが散らばっても、肝心な場面で踏ん張れるから大崩れしない。打者として得点圏打率の.388は、仮に規定打席に達していればパでダントツ。リーグトップで同僚の陽ですら.357だ(数字はいずれも28日現在)。投げても打っても結果が出て、なおかつ「勝負強い」のは、それなりの理由があるのだ。
09年のワールドシリーズMVPで、メジャーでも「勝負強い」といわれた松井秀喜は、自著「不動心」で「仮に勝負強さというものがあるとすれば、それは運というより、考え方とか技術的なもの。思考や練習によって磨けるもの」だと書いている。