6連勝 日ハム中村勝を変えた大谷翔平のケタ違い剛速球
「真っすぐも変化球もストライクが取れた。自分有利の投球が出来たことが良かったと思います」
試合後のお立ち台でこう笑みを見せたのが、27日のソフトバンク戦で今季無傷の6勝目を挙げた日本ハムのプロ5年目右腕・中村勝(22)。130キロ台中盤の直球と90キロ台のカーブなどを織り交ぜ、12球団ナンバーワンの相手打線を翻弄した。
中村はもともと最速140キロ台後半の直球を武器に三振を取るダルビッシュのようなタイプ。その投球内容とルックスが似ていたことで、春日部共栄高時代から「埼玉のダル」とも呼ばれていた。
そんな「剛腕」が今季は緩急自在の「軟投派」に変貌。そのきっかけとなったのが大谷翔平(20)の存在といわれている。
「勝(中村)は大谷が来る前までは、直球主体の投球で抑えていくスタイルを確立しようとしていた。でも、大谷がチームに加入、ブルペンなどで160キロ超えの剛速球を投げ込む姿を見て、『自分は一生頑張ってもあんなボールは投げられない』と悟ったようです。以後は緩急をつける投球にシフト。それが功を奏し、今季は飛躍的に安定感が増した。大谷の存在が勝を開花させたと言っても過言ではありません」(チーム関係者)
普段は無口でシャイな22歳は、野球に関してはとことんストイック。後輩に白旗を揚げたことで、生き残る道が開けた。