広島の“パンチョ”木下富雄 今は「カープ鳥」の名物大将
現役、コーチとして6度のリーグ優勝、3度の日本一に立ち会った木下さんは二軍監督も務めた。
「二軍でも勝負にこだわって育てる。競った試合に勝って、初めて一軍で通用する力が身につく。これがボクの哲学だったよ。広島は巨人や阪神みたいに補強におカネをかけられないからこそ、若い選手にとってチャンスがある。今シーズンは首脳陣が若手を我慢して使ってきたことが、ようやく花開きつつあるんじゃないかな。あと、去年、クライマックスシリーズに出たのがいい経験になっている。ホント、今年は楽しみ。あの土砂災害で大変な目に遭われた方たちを励ます意味でも、優勝までいって欲しいね」
野球解説は60歳を境に降りた。
「ボクが43歳で解説の仕事を始めることができたのは、大先輩の山本一義さん、古葉竹識さんが身を引いて下さったからこそ。ボクも60になったらやめようと考えてた。別に食うに困ってるんじゃなし、それが引き際ってもんさ」