「中日には一貫性」 “流しのブルペン捕手”が見たドラフト会議
ドラフトの成功の可否は、指名選手を見てそこに「ストーリー」があるかどうかが大事です。
即戦力が必要なのか、将来性を見越した指名なのか。こういう戦略を持って指名したと、きちんと説明がつくかどうか。「バランスよく取れた」という監督やフロントの話をよく聞きます。聞こえはいいですが、あぶはち取らずになるケースもあります。私は戦略に一貫性があるかどうかを評価の基準にしています。
その点、中日の指名は、派手さはないがズラリと即戦力の選手を並べた。育成を除けば高校生の指名はゼロ。9人全てが大学、社会人だ。選手の高齢化が進み、若手の台頭にも時間がかかっている。切迫したチーム事情があるにせよ、明確な方向性を感じました。
1位の野村亮介(三菱日立横浜)は私が実際にボールを受け、ほれ込んだ投手。内外角、私が構えたところに90%の確率で投げ込んでくる制球力の高さ。しかも、低めにスーッと伸びてくる。緩急で打者のタイミングを外せる上、年間通してコンスタントに力を発揮できる精神力も魅力です。21歳で伸びしろもある。将来はエース吉見に匹敵する主力投手になれるとみています。