日ハム大谷がこだわる“二刀流”がメジャーでは叶わない理由
日本ハムの大谷翔平(20)は、メジャーでも本気で二刀流に挑戦したいと考えている。11月27日には「最初にメジャーに行きたいと思ったときは、投手として評価してくれた。でも、打撃も評価していただけるならやってみたい」と願望も交えながらコメントした。
しかし、実際問題として現在、メジャーに二刀流の選手はひとりもいない。
投打とも抜けた選手がいないわけではない。メジャー通算148勝のマイク・ハンプトンはロッキーズ時代の01年、7本塁打を記録した強打者だったものの、出番のほとんどは投手として先発した試合だった。
メジャーに二刀流がいないのはズバリ、システムの問題だ。
メジャーのベンチ入りメンバーは25人。28人のプロ野球とは違ってギリギリの人数でやっているから、選手個々の役割は日本以上に細分化されているし、先発投手の「上がり」もない。例えば延長戦の代走などの有事に備え、前日に先発した投手だろうとベンチで待機する。
今年の米球宴でダルビッシュ(28)が問題提起した先発6人制が簡単に実現しないのも、先発を1人増やせば25人枠を広げなければならなくなるからだ。経営者側がすんなりと首をタテに振るわけがないし、メジャーの根本的なシステムを変更するには選手会労組も交えた大々的な議論が必要になる。
25人枠という少ないパイを求めた競争はただでさえ熾烈なうえ、メジャーでは一度に2人分の仕事をしようなんてもってのほかと受け止められる。