グリエルにも破格条件 球界「対キューバ“土下座外交”」の価値
日本球界がキューバ選手を大型契約で獲得することは、プラスよりもマイナスが大きいのではないか。
先日、ロッテがキューバのデスパイネ(28)と2年総額5億円という大型契約を結んだ。最後の大物となった前DeNAのグリエル(30)を巡っては、巨人とDeNAが争奪戦を展開。2年総額6億とも8億ともいわれる破格の条件提示をしたとみられ、近日中にも決着を見そうだ。
グリエルは今季、6月に来日して62試合で打率.305、11本塁打、30打点。デスパイネは7月に来日して45試合で打率.311、12本塁打、33打点。来季は月にもチームに合流できる見通しが立ったことで、年俸が高騰した面もある。
「ただ、日本がキューバに大金を投資しても、回収できるとは思えない」とは球界関係者。
「キューバ選手を獲得するには、一説にはキューバ政府に1億とも2億ともいわれる契約金が必要。しかも年俸は高騰している。今後も将来の有望選手を獲得するための投資になれば高くはないと思う。ただ、セスペデスやアブレイユ、プイグら一流選手は亡命して米国で高額契約する一方で、キューバの選手層がかなり薄くなっているのも実情。さらに、日本にやってくる選手は、キューバの国内リーグにも出場するので、ほとんどオフがない状態。本来の力を発揮できるとも思えない。へりくだって頭を下げて、交渉する価値があるのかといえば疑問だ」