鳥谷が「熟考に熟考」で阪神残留も…チーム内に残るしこり
鳥谷は一時「日本(阪神)より条件が悪くてもメジャーに行く」と周囲に話していたそうだが、渡米を断念した最大の理由はカネだった。阪神が鳥谷の引き留めに提示したのは4年16億円超といわれる。単純計算で年俸は4億円だ。年俸が大幅にダウンする上に、出場機会が確保されないメジャーよりも、条件のいい阪神を選んだわけだ。
■「結局カネかよ」の声が出る可能性も
約2カ月間にわたった鳥谷の移籍騒動は、ようやく収まったが、割を食ったのは阪神に他ならない。年が明けても、鳥谷の去就が決まらず、現場も編成も身動きが取れなかったからだ。阪神では正遊撃手の鳥谷流出に備えて、チーム内での配置転換を計画していた。中堅の大和を遊撃にコンバートし、二塁の西岡を中堅に回すことなど、ポジションのシャッフルを検討していた。鳥谷が決断を先延ばししてきた結果、チーム編成もままならず、守備位置が定まらない同僚選手の自主トレにも影響を及ぼしていたのだ。
鳥谷が元のさやに収まり、コンバート案は白紙に戻るとはいえ、チーム内に感情的なしこりが残る可能性はある。ここまで鳥谷ひとりに振り回されてきただけに、チーム内から「あれだけメジャー、メジャーと言っておいて残るのか。結局、カネかよ」といった声が出てきてもおかしくはない。