指定席初完売 黒田復帰に沸く“広島人気”に他球団ニンマリ
「記憶にない。こんなのは初めてだ」
広島・松田オーナーのセリフである。
8300席を用意した本拠地マツダスタジアムでの今季主催試合の年間指定席が完売。現オーナーが球団に携わるようになって約30年、「永遠の目標数値だった」という夢が現実になって、大興奮なのである。
もちろん、元エース黒田博樹(39)の「男気復帰」が追い風になったのは言うまでもないが、ソロバン片手にニンマリしているのは広島だけではない。
セのライバル球団営業担当が言う。
「広島は昨年、主催試合の観客動員で球団史上最多の190万人超を記録した。2年連続CS出場を果たしたチーム強化と同時に、『カープ女子』に代表される新たなファン層の獲得に成功して、前年比21・7%という大幅増でした。神宮球場の広島戦はビジター席から先に売れていくという現象も起き、各球団も広島人気の恩恵にあずかりましたからね」
■中日の営業担当も小躍り
実際、昨年の神宮球場でのヤクルト主催試合の観客動員を見ると、1位も2位も広島戦。9月23日の試合では3万1511人が集まった。平均でも対広島戦は2万1990人。2万4628人だった対阪神戦、2万2629人の対巨人戦に肉薄する数字だった。ナゴヤドームでの中日主催試合のカード別の観客動員を見ても、3万3263人でトップだった対巨人戦に次いで、対広島戦が3万1477人と3万人超え。2万6870人の対阪神戦を上回り、中日の営業担当を小躍りさせているのだ。