理由は「男気」じゃない 黒田広島復帰にヤ軍の“優柔不断”あり
古巣・広島に復帰した黒田博樹(39=前ヤンキース)。メジャー球団の中には年21億円超のオファーを出したところもあったという。それでも年俸4億円の広島を選んだことから、スポーツマスコミは盛んに「男気」を強調している。
黒田の気持ちの中に古巣への愛着があるのは事実。しかし、それだけで差額の17億円超を捨てるとも思えない。
米東海岸のさる代理人関係者は「要するに黒田は今年が最後のシーズンになるかもしれないと思ったのでしょう。特にヤンキースの低評価はこたえたはずです」と話す。
■黒田にも働いた損得勘定
ヤンキースは黒田がFAになった直後、クオリファイング・オファーを出さなかった。クオリファイング・オファーとはFA選手が他球団に移籍した場合、見返りに移籍先の球団からドラフト指名権を得る制度で、今回の規定額は年俸約18億円だった。選手にオファーを拒否された後も自由に交渉できるため、球団は選手に年18億円の価値があると判断すればクオリファイング・オファーを出す。実際、ヤンキースは13年オフも12年オフも黒田にこのオファーを出していた。