ヤクルト成瀬が語る「自分がロッテを出た本当の理由」
「11年間やってきて、今までの実績を評価してもらっているとは思えなかった。ショックを隠せないし、寂しい気持ちになった」――。昨年、こう言ってFA権の行使を決断した成瀬。愛着のあるロッテを去った理由、新天地ヤクルトの印象などを本人に聞いた。
――ロッテとの交渉を終えた後、やるせない気持ちを吐露していましたね。
「ヤクルトに来て言うのもなんですが、自分はFA権を使おうとは思っていませんでした。ロッテを出たくないというか、ロッテにずっといるだろう、ロッテにいなきゃいけないと思っていましたから。ただ、球団と話していくうちに、自分のことを必要としてくれている感覚がないなという気持ちが芽生えた。切ない気持ちにはなりましたが、自分がここまで頑張ってこれたのはロッテのおかげだし、そこは感謝はしています」
――モチベーションがなかなか上がらなかったと。
「プロに入った時から自分を見てくれている人に言われたことが、気になってもいました。<ロッテに慣れもあると思うし、マンネリになっているんじゃないの? 刺激がないんじゃない?>と言われて、そうなのかなと。12球団で12人しか投げられないのは幸せなことです。だから自分はずっと開幕投手にこだわり、目指してきた。若い投手が出てきても譲るわけにはいかない。他にできる投手がいるわけないだろうという思いがあるわけです。ただ、最近はだんだん、他にやる投手がいないから、俺がやるしかないんだなという気持ちになってきて、どっちかというと開幕を勝ち取っているんではなく、やらざるを得ない状況になっているのかな、と。これは微妙なニュアンスですけどね。どうせ成瀬さんでしょ? というような雰囲気を感じたというか。他にやる投手がいないから自分がやるというのが、ダメなのかもしれないとも思いました」