元プロボクサー江口勝昭さんが初めて語る「伝説の兄弟対決」
「兄貴とはトシも近く、一番仲が良かったですよ。兄貴は中学で副番長を張ってたため、ボクはまったくいじめられなかった。その兄貴がボクサーを志して上京したので、ボクも18歳で後を追いました」
90年10月、ライトフライ級でプロデビュー。97年1月の試合を最後に引退するまでの戦績は14勝(2KO)10敗1分け。その後のミニマム級世界王者、星野敬太郎に2度勝利した。
「それでも、良くも悪くも、兄貴との試合が一番思い出深いですね。兄貴に追いつけ追い越せで練習を重ね、試合では本気でタイトルを狙いにいきましたから。でも、兄貴の方はトラウマがあるようです。マスコミの取材はすべて断り、ボクにもあの兄弟対決について口にしたことはありません。もっとも、兄貴とはもう1年以上会っていませんがね」
角海老宝石ジム近くの「天下寿司」で寿司職人として働く勝昭さん、引退後、ファンだった女性と結婚、2児をもうけるも離婚し、今は池袋のアパートに一人暮らしだ。
「今は世界チャンピオンがたくさんいるけど、井上(尚弥・WBO世界スーパーフライ級王者)と井岡(一翔・元WBA世界ライトフライ級王者)と対戦させるなど、注目の日本人対決を見てみたいですね。ただ、兄弟対決はやらない方がいい。いろんな傷を残し過ぎます」
江口兄弟の対戦後、日本ボクシングコミッションは「兄弟対決」を禁止している。