阪神が育成選手レンタル BC福井トップが語る「両者の思惑」
■競争心とファン拡大
しかし、プロ選手の加入で福井所属の選手は出場機会が減るのではないか。
その質問に新谷社長はこう言った。
「独立リーグのチームは最低限の人数でやっていますからその心配はない。むしろ独立リーグの選手はほぼ全員がプロ志望。『派遣選手を超えるレベルになれば自分もプロになれる可能性がある』と、目の色を変えてライバル心を燃やす。自然と競争心が芽生える効果もあるのです」
唯一、受け入れの不安要素を挙げるとすれば、それはプロから派遣される選手のモチベーションの低下。せっかくプロ入りしながら、独立リーグに派遣されてしまうことで、やる気をなくしたり腐ってしまう者もいるんだとか。
「我々としてはいい形でプロに送り返してあげたいので、こちらに来る選手には頑張ってもらいたい。それに今回、阪神さんが選手派遣をしてくださるのは、福井での人気拡大の意味合いもあると思います。福井は巨人ファンが多いですからね。阪神の選手がここで活躍すれば、福井での阪神の知名度も上がり、我々の集客にもつながる。その意味でも、選手には阪神の代表として頑張ってもらいたい」(新谷社長)
BCリーグのシーズンは4~6月の前期と、7~9月の後期という2シーズン制。今のところBC福井は前期、後期に分けて阪神からひとりずつ受け入れる予定だ。