投手陣にくすぶる不満…松坂はまるでソフトBの“時限爆弾”
■先発枠は残り1人
しかし、ソフトバンクは前年の日本一球団。選手層の厚さは、12球団でも群を抜いている。投手陣の駒もそろっているチームだからこそ、上がり目の少ないベテランをこのまま使い続ければひずみも生じる。
すでに開幕投手は摂津(32)と発表され、中田(32)、スタンリッジ(36)、大隣(30)もローテ入りは確実。そこに松坂が入れば、残りはたったの1枠しかない。
そんな狭き門を目指して、昨季先発ローテをつかみかけた若手たちが争っている。昨季育成から支配下登録された3年目の飯田(24)がキャンプ中の実戦から無失点を続ければ、同じく3年目の東浜(24)も好投。さらに4年目の武田(21)もアピール中だ。
加えて寺原(31)や帆足(35)らベテラン勢も腕を撫している。本来は育成であるべき二軍戦すらも、先発陣のアピールの場と化しているのが現状だ。
だが、いくら実戦で結果を出しても、松坂がいる限り、開幕ローテ枠は1つしかない。これでは投手陣はやり切れないし、不満もくすぶる。それこそ、いつ爆発してもおかしくはない。工藤監督は本紙評論家の山崎裕之氏に松坂が期待を裏切り続けた場合の処遇について、「どんな投手でも波はある。調子が悪くなっても再び上がってきてくれたらいいのですが、下がったままなら考える」と話している。「考える」とは先発を外す、あるいは二軍落ちを指しているのだろうが、松坂にしてみればようやくつかんだ先発のチャンス。そのためにメジャーを捨てて日本球界に復帰した。ここで先発を外され、再調整を命じられようものなら気持ちがプツンと切れてしまわないか。