投手陣にくすぶる不満…松坂はまるでソフトBの“時限爆弾”
「やっぱり左肩の開きが早いよ」「右肘が上がらない」「体重が左足に乗らない」「ボールを小手先でコントロールしようとするから制球がバラつく」――。
10日の巨人戦に先発した松坂大輔(34=ソフトバンク)。ネット裏のスコアラーやテレビ観戦した評論家諸氏の評価は、おおむねこんな内容だった。
初登板だった4日の阪神戦から中5日。「実戦で打者に対していくことで状態も上がっていくと思う」という本人の希望的観測とは裏腹に、3四球に3盗塁を許すなど3回を3安打2失点。前回は146キロだった最速がこの日は143キロ。要した球数は前回の57球からこの日は64球と、状態は上がるどころかむしろ悪くなった感じ。2日前に同じメジャー帰りの黒田博樹(40=広島)が打者13人をわずか39球でパーフェクトに抑えただけに、なおさら松坂の投球は間延びして見えた。
それでも松坂は開幕ローテーション入りが決まっている。
ソフトバンクが松坂に投じた金額は「3年12億円プラス出来高」。「補強するなら名前のある大物」という孫正義オーナーの方針で獲得しただけに、まさか本番前に見切りをつけるわけにはいかない。ネームバリューと実績は抜群で、今年のソフトバンクの目玉ともいうべき選手。マスコミへの露出度も含め、その商品価値はとてつもなく大きいからだ。